ディア フレンド

募る想いと爆ぜる気持ち

「あっ・・やっと来た。
杏南~、早く練習すんぞ!」


恭也くんはドリルをしながら
叫ぶ。誰もいないグラウンド。
なんか声もいつもより反響してる。

先生は・・まだ来てないか・・
2人きりか少し恥ずかしくなって来た。
アタシは恭也くんの横でドリルをする。


「杏南・・どうした?
元気ないけど・・」


「えっ・・そんなことないよ。」


「渉と喧嘩したのか?」


「聞いたの?渉から・・」


「ああ。昨日の9時くらいに。
アイツもいい奴だから許してやってくれよ」

その言葉は少し痛かった。
アタシが勝手に苛々してただけなのに・・


「アタシが悪いんだ・・
最近苛々して・・それで渉に
当っちゃっただけなの・・

渉はアタシを気遣ってくれただけ・・」


「お前は正直だな。
渉もそれは分かってると思う。
渉も気にしてるから早く謝ってやんな」


「うん。ありがとう。
跳ぼうか、時間もないし。」


アタシは胸のモヤモヤが
少し消えた気がした。
そしてスパイクを履く。
恭也くんは先に歩数を確認していた。


アタシは急いで歩数を確認する。
恭也くんを横目で見つめながら・・
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