ディア フレンド
わたしはとりあえず、トゥラムを戻し自分の部屋に向かった。
今は少し1人になりい気分になった。
ハヤテが1番風呂に入った、渉も宿題が溜まっていると言って自分の部屋に行った。
杏南が場にいないだけでこんなにも雰囲気が変わるのか・・・
思えば杏南が来る前わたしは自殺未遂を幾度と無く繰り返した。
腕にはそれを物語るように傷が付いてる。人に裏切られ、宿命と戦って来た。
生きてることに苦痛を感じて来た。
でも、もう1年で終わる。もう少し我慢しよう・・・
そう思いながらわたしは深い眠りに堕ちていった。


杏南side

アタシは必死にたくさんの皿と格闘している。トゥラムを一度戻した。
ちゃんとメイドの仕事もしないとイケないのだ。
シャーシャー、水が絶え間なく出ている。肩が凝ってきたな・・・
今日の有李栖はいつもと様子が違うのは薄々感じていた。
なんか、心の中に黒い塊のようなものが視えた気がしたのだ。
今日、学校でもそうだ。その黒い塊が何かは分からないけど、黒から連想させるもの。
何か抱えているのだろうか。有李栖だけではない、トゥラムもだった。

はぁ・・・一応、全部終わった。各自の部屋はプライバシーがあると言うことで掃除は出来ない。大広間の掃除は朝したし・・・
今日の仕事は終わりかなぁ・・お風呂入りたいな。
アタシは厨房を出ると、丁度お風呂上りの渉と出くわした。

「あっ、お風呂開いた?」

「ああ。入れば?有李栖は1番最後だし。」

「うん。明日は土曜だから一杯修行しないとね♪」


「お前って元気だよな~、つか、妖怪切るんだぜ?平気か?」

「うーん、微妙~。でも使命ならしょうがないし守るためならドンマイかな」

「お前らしいな。俺、宿題しないとイケないから」

渉は去ってしまった。アタシは急いで自分の部屋から着替えを持って来て、お風呂場に向かった。お風呂場は厨房から近かった。
中に入るとめっちゃ広い。何より大理石のお風呂だ。
お金持ちは違うんだな・・・つくづく感じる。うちなんか・・・
言うのをやめよう。悲しくなってくる。アタシは軽くシャワーを浴びると湯船に浸かる。
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