ディア フレンド

修行開始。

アタシは紙をまじまじと見つめる。きっちりと一日ごとに区分けされている。
有李栖の性格が窺える。
今日は・・・午前はオリークと実践的なことをするのか。
ヤッタ～☆　何するんだろう・・・
アタシはまだ霊力を使ったことないよ・・・

「もう修行したいのですが、大丈夫ですか？」

「えっ、あ、うん。この格好で、修行？」


「勿論なのです。その格好で主に戦いますです。」

やっぱり・・・まぁ、気にしない。アタシは早速外に出る。
渉たちはそれぞれ部活やらレポートを作成に掛かる。
アタシは一足先に薔薇園に来た。数分後、有李栖が到着する。
有李栖はいつものワンピースではなく。巫女の衣装で来た。

「有李栖・・その格好は？」

「杏南と同じでわたしもこれで戦うんですよ。では始めます。」

急にあのときの口調になる。凛とした大人っぽいような喋り方に・・

「では最初は召喚【ダクバ】をしてみて。イメージはオリークだから。頭に燃え盛る炎をイメージしながら唱えるの。一緒に唱えて。」


「さぁ、私の声が聞こえるなら私の前にお出でなさい。」

「さぁ、私の声が聞こえるなら私の前にお出でなさい。」


アタシの足元に羅針盤が薄っすら浮かぶ。なんか、身体中から力が溢れる感覚になる。
自分の髪とスカートが霊力ではためく。

「「思想の五色・次女紅蓮のオリーク、私の声に応えなさい。」」

アタシが唱え終えるとアタシの頭上に女の子のシルエットが浮かぶ。
そして、それはゆっくり地上に下り姿を現す。

「紅蓮のオリークここに。」

オリークは真っ赤な髪でショートカットトゥラムとは違い、勝気なイメージな子だ。
この子が精霊でトップクラスの力を持つ。なんか分かる気がする。

「杏南様、今日はうちと頑張りましょう！！何から始めます？有李栖様？」

「そうね・・・まず、第一段階の召喚【ダクバ】はクリアね。次は生み出す練習ね」


そういうとオリークは頷くと目を瞑り、胸の前で手を外側に向け、円を作る。