ディア フレンド
「朱雀よ、この身体。我に力を貸したまえ、来々」

「朱雀よ、この身体。我に力を貸したまえ、来々!!」

アタシは叫ぶと剣を左手に持ち替え、手首を使って剣をぐるぐる回す。
すると、オリークの頭上にいた朱雀がアタシの剣に飛んで来る。
そして、剣と同じ向きに回り始める。その後、その姿が段々と先程のリボンのような姿に変わり、剣に吸収されていった。

「杏南様!? 凄い・・・最初でここまで出来るなんて・・・しかも、狗獣刃を片手で持てるなんて・・・うち杏南様に使えられてめっちゃ自慢出来ます!!」


「大袈裟/// 剣道で肩とか鍛えてたから・・」

「さっすがです!杏南様、絶対強くなります!!うちが保証します。」


「杏南、呪文はちゃんと覚えて。微妙な間合いもあるから気をつけて。午前はこれで休憩しましょう。午後もあることだし。時間になったら呼びにくる。」

有李栖は静かに屋敷に向かう。薔薇園にはアタシとオリークの2人になった。
オリークは静かに座ると一瞬悲しそうな表情を見せた。

「杏南様、トゥラムと友達になったんですよね?」


「うん。なんで?」

「トゥラムが嬉しそうにいつも話すんです・・いいなぁって。」


何だ。オリークはアタシと仲良くなりたかったんだ。じゃあアタシだって気持ちは同じ。アタシはオリークを後ろからそっと抱き締める。
凄く体温は冷たい。さっき力を使かったからかな・・・

「じゃあ、オリークも友達♪1回話したら友達。アタシの方程式だよっ☆」

「杏南様・・・嬉しいですっ!!絶対一緒に強くなりましょう!そして、ぬらりの孫を倒しましょう!!!」


「えっ? ぬらりの孫って?」

「あっ・・・何でも無いです。もう少し後になってから話します・・・」

急にオリークは黙ってしまった。ぬらりの孫って何?
アタシたちは一緒にいろいろ話をする。姉妹のこと、アタシの学校のこと。
好きな人がいるかの話題。

「オリークは誰が好きなの?」

「うちは・・・ハヤテ様がいいです//」


「お兄ちゃんか・・・優しいよね。コクんないの?」

オリークは顔を真っ赤にしてしどろもどろする。
此処らへんは普通の女の子と変わんないんだ。

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