ディア フレンド
「そんなことないです。ハヤテお兄ちゃんは変わらないね」

「そうかな。僕は・・・」

「2人で盛り上がるな!!俺もまぜるっ!」

渉が話に割り込んでくる。小さい時もこんなやり取りしたよなぁ―・・・
アタシは懐かしさで少し嬉しくなって来た。
3人で盛り上がっていると先程の女の子がトテトテと走って来た。
やっぱりこの子は、凄く可愛い。ウサギみたい♪

「あのぅ・・剛様は部活で遅くなるそうですぅ。先に説明していいですか?」

「ああ。いいよ、まず有李栖の自己紹介しな?」

ハヤテお兄ちゃんが優しく言うと有李栖と呼ばれる子はニコッと笑う。
なんかこっちまで笑顔になるようなキラキラした笑顔だ。

「わたしは有李栖なのです。巫女なのですよ・・」

有李栖って言うんだ・・・んっ?巫女ってなんだ!?
アタシは半ば疑問のまま、自分の名前を言う。

「アタシは隣城杏南。修行で東京から。」

「早速、制服に着替えるのです。来てください。」

有李栖はアタシの手をぐいっと引っ張ると2階に連れて行く。
ちょっと力が強い・・・腕が少し痛い。
階段をドタドタと上ると腕を引く力が強くなる。かなり痛い。有李栖はある部屋の前で止まると勢いよく扉を開ける。
部屋の中に入ると、有李栖は手を離してクローゼットを開ける。
中にはメイド服がずらりと並んでる。ざっと30ぐらいはあるぞ・・・
有李栖は1番ミニのメイド服を取ると笑顔でアタシに差し出す。

「杏南。これを着るのです、そしてそのポニーテールも取るのですよ。」

「えっ?何で?って言うか腕引っ張り過ぎだし。」

「とりあえずこれ着るのです。1分で着てくださいです。」

はい? アタシは言われるままに着替える。この子はおっとりしてる顔だが中身はかなりサバサバしている。なんか、有李栖のペースに流されてる気が・・・
アタシは頑張って1分で着替える。
こんなミニのスカートなんて学校の制服以外で着るのは初めてだ・・・
足がスースーしてなんか気持ち悪い・・・

「似合うのですよ☆ 次はここに座ってくださいです。」

有李栖に促されるままに鏡の前に座らされる。よく見ると胸元がすんごく開いてる・・・見えるよ、これだと・・・
そうこうしてる内にアタシの髪が変わっていく。



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