ディア フレンド

さっきの恐ろしい気配は伶哉くんのファンみたいなのかな・・
いつもいつもあんなのに付きまとわれたら面倒だよね・・
アタシも伶哉くんの性格は好きになれるよ。
だから・・―。

「ゴメンね。疑って、アタシも伶哉くんの性格好きになれる。この短い時間で思ったもん。だから、よろしくね☆」


「ああ、お前可愛いのに。それが鼻につかないのがいいな。」

「///褒め殺ししないで！　アタシ褒められるのに慣れてないんだから・・」

「そういうのも可愛いから。」


「もうっ・・・」


なんか伶哉くんと話してると調子狂うな・・・
そうこうしてる内に鍵を開けて家に入る。
それを凄く不思議そうな顔で伶哉くんは見つめる。
アタシなんか変なことしたかな？

「杏南。なんで渉の家の鍵持ってんの？もしかして、お前ら・・」

「違う。渉の家に下宿してるの。有李栖と２人で。」


「ああ、お前引越して来たんだもんな。だからか、可笑しいと思ったんだよな。なんで手料理食ってんのかなって、付き合ってんのかと思った。」


「んな訳ないでしょ。まぁ、大広間で待ってて。アタシ着替えて来る。」

アタシは急いで自分の部屋に行ってなるべく露出の少ない制服を選ぶ。やっぱオーソドックスなワンピースにしたらいいか。
アタシは急いでウィッグを外し、ミルクティ色の髪にする。
似合ってる・・よね・・？　アタシは黒と白の長めの制服にした。

ガチャッ。「ただいまー。あれ？　伶哉来てるし・・」

渉が帰って来たみたい。アタシは急いで大広間に向かう。
ドタドタドタっ。
タタタッ。「ゴメン、遅くなって・・・渉、お客さんより遅いって失礼でしょ？」


「しゃあねえだろ？委員会だったんだから。」

伶哉くんはきょとんとした表情でアタシたちのやり取りを見ている。
アタシのこの格好もだろうし、それを見て何も言わない渉にもだろう。