ディア フレンド
「なぁ・・渉、杏南のその格好・・・」

「ああ。これ? メイド。家のメイドとして来てんの。」


「なんか、成り行きで・・本当は転校目的なんだけどね。」

「はぁ・・渉と杏南、2人で何プレイかと思った。」

ボッ、2人して顔を紅くする。渉は多分半端ない。

「俺はそんな趣味ねえ!!コイツのメイド服見ても別に欲情しねえわ!」


「は? アタシだって好きで着てる訳じゃない!!女らしくなる為に・・・」

「そんな服着ても女らしくなってねえだろ!」


「まぁまぁ・・とりあえず喧嘩すんな。」

伶哉くんの仲裁で一応、このバトルは終了した。渉とは別に仲が悪いわけではない。
あっちから突っかかって来る訳で・・・
アタシはケーキのことを思い出した。そして急いで厨房に向かおうとする。

「渉、ケーキ仕上げしてくるから。紗羅たち来たら教えて!!」

アタシはダッシュで厨房に向かう。そして、冷蔵庫からケーキを取り出す。
生クリームは昨日のうちに作っていたので後は盛り付けだけ。
アタシのセンス能力をフルに使って飾り付ける。



渉side

杏南は厨房に向かった。あいつと喧嘩はしたが、仲は悪くない。
むしろ、良いほうだ。でも、アイツと話そうとすると素直になれない。

「やっぱ仲良いじゃん。喧嘩しても直ぐ仲直りだろ?」

「まぁ、対外は・・伶哉だってモテんだからいつでも彼女は・・」


「俺の見かけで来る奴ばっか。杏南たちみたいに友達としてみてる奴なんてそうそういねえよ・・・」

「お前も杏南に救われたのか?」


「杏南の言葉は魔法だな。紗羅たちも言ってたもんな。杏南は俺らの太陽、かな。」

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