ディア フレンド
「違うって!!有李栖が格好からってことで・・・」


「わたしは別に何もしていないのです。ただ、渉が喜ぶと思って着せたのです。」


有李栖の突拍子のない発言で、いろいろ厄介になりそう・・・
有李栖は何考えているかよく分かんないときがある。
紗羅と遥妃は渉がすんごく変態的な趣味を持っているというレッテルがついた。
そのお陰で渉のテンションが急降下。2人のテンションは急上昇。
アタシはすでに波乱の予感がする。

とりあえず、大広間に案内する。伶哉くんの近くにみんなそれぞれ座る。

「という訳で今日は何する? シンプルに麻雀? 賭けならトランプのほうがやり易いかな?」

「初心者の杏南がいるから今日はトランプだな。じゃあ罰ゲームカード作るぞ。1人2枚罰ゲームを考える。そして、伏せて重ねる。」

渉の説明でトランプくらいの大きさの紙が2枚アタシの前に置かれる。
みんな思い思いに書いて行く。罰ゲームってどうしよう・・・
アタシはインスピレーションで書いて行く。

『みんなにメイド口調』

『とりあえずパシリ』

こんなもんで良いよね? アタシはそっとカードの山に重ねる。
みんな割りと考え込んでいる。そんなに過激なの考えてんの?
みんな書き終えると遥妃がトランプを配る。
何すんのかな・・・アタシあんまトランプ強くないよ・・・

「まずは杏南の小手調べにじじ抜きでもするか。カードはもう取ってある。1位が罰ゲームカードを引くのでいいだろう?」

そう言って遥妃は慣れた手つきで配っていく。そして、みんなペアを捨てていく。
アタシもとりあえず捨てていく。
アタシの手持ちは6枚。結構捨てられたなぁ・・・
みんなは平均、5~8くらい。まぁ、そんなもんだよね。

最初は親である遥妃から引いていく。アタシの隣は有李栖と紗羅。
2人はアタシより遥かに経験があるからルールを熟知している。
アタシだって初心者なりに意地を見せてやる。
ゲームを始めて5分。一向に誰も上がろうとしない。
1番少ない人で伶哉くんが2枚。多いので有李栖が4枚。
でも、侮れない。アタシは紗羅のカードを引く。

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