ディア フレンド
「ら・・・紗羅!3時間目始まるよ。」


えっ・・うちは急いで起きると理科の単元を配布している担任の姿が目に映る。
なんか、結構寝ちゃったんだな・・・
多分出席番号順で配布してるんだよね・・・
今・・南美が渡ってるから・・次か。

「音高さん。」

うちは呼ばれて貰いに行く。無言でテストを渡される。
うちは75点。そこそこいい点数だ。
この単元は再テスト有りなのでちょっと緊張していた。
合格ラインは68点。まぁ、普通にクリアだ。
杏南は何点なんだろう・・

「隣城さん。」

杏南が取りに行く。ここで杏南のほうがよかったら好きな人を教える羽目になる。
うちは杏南が座った瞬間に点数を確認する。

「杏南、何点?賭け覚えてるよね?」


「うん、アタシは82点。意外と良かったみたい。」

嘘でしょ・・あんなにアタフタしてたのに。
うちは必死にリアクションする。かなりぎこちないかな・・

「うち75点。負けたぁ・・休憩時間教えるね・・・・」

「わかった。」


うちは前を向き、授業を聞く。でも、ショックで全然入って来ない。
うちはボォっとしながら聞く。
もうなんか、ヤダな。これでかぶってたらキツいな・・

キーンコーンカーンコーン。

授業が終わる。はぁ・・・うちは覚悟を決め、話す。
杏南は不思議そうな顔で聞く。

「へえ、意外。でも、なんで渉?変態だし、意地っ張りだし・・」


「だって優しいんだよ? 杏南は渉くんのことどうも思ってないの?」


「うん、いい奴だと思うケドね。アタシは応援する。」

「あ、ありがと。頑張るね、いろいろ聞いて置いてね。情報的な・・・」


「うん、でも好きな人いるのかな・・渉。」



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