ディア フレンド
有李栖は笑顔で言う。なんかどす黒い何かが渦巻いてて少し恐怖感を覚える。
アタシは大丈夫、とピースサイン。
有李栖は着替えたらすぐ来て下さい、と言って厨房に行く。
アタシは小走りで部屋に行く。
タッタッタッタ。

ガチャッ、バムッ。鞄を放り投げ、制服に着替える。
今日は修行があるのでミニめをやつを取る。
黒い短めの露出の少ないやつを急いで着る。
もうこれを着るのに全く違和感を感じなくなったアタシは重症なのか・・

タタタッタタ。
厨房へと走る。これから陸部になったから一応、練習の一間になりそうだ。
アタシはいつものことながら十数秒で着く。
有李栖はもう、この物音に動じなくなった。
ゆっくりアタシのほうを向くと笑顔で食器を渡す。
凄く美味しそうな料理が乗っている。
と、言ってもスパゲティだけどね♪ アタシは大広間に持って行く。


大広間には渉しか座っていなかった。最近ハヤテ様が夕食にいないのに寂しさを覚える。渉も暇そうに携帯をいじっていた。
渉はアタシに気付くと携帯を静かに閉じる。
そして、顔をゆっくり上げる。何かを言いたそうな顔をしている。

「杏南、今日さ。伶哉と何話してたんだ?」


「別に、ただ生徒会の勧誘。」

「そうか、入るのか?」


「勿論、だって断る理由ないし。まぁ、紗羅にも陸部に勧誘されて入っちゃったけど。」


「へえ、頑張れよ。お前足速いの?」

「シューズで13秒台☆ 凄いんだって。」


「お前・・・化けモンだろ!?」

「まぁ、修行&婆っちゃの地獄のメニューをやってれば嫌でも速くなるって。」


「確かに・・俺も1回やったことある。あれは・・もう拷問だって・・」


「先食べてて、アタシ修行行って来る。」

「後で見に行く。1人で部屋いても暇だし。」


「いいよ、邪魔しないでよ?」

アタシは言い残すと渉は笑顔でスパゲティを食べる。

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