ディア　フレンド
アタシは歩き始める。一旦、百虎を戻す。
そして、歩こうとする。でも、ガクン・・

アタシは足を崩して座り込んでしまった。
思ったより精神力と体力使っちゃったんだな・・・
アタシは立ち上がろうとするが、力が入らない。すると、渉がアタシの前に立つ。
そして、ひょいとアタシを抱き上げる。
アタシは恥ずかしさのあまり顔から火が出そうだ///

「渉//　恥ずかしいから下ろして・・重いでしょ？///」

「お前は軽いよ。たまには甘えろよな。」


アタシは顔を真っ赤にさせながら渉に運ばれる。
渉の腕は大きくて温かい。なんか、落ち着くな・・
アタシは少し甘えたくなった。だから渉の首に手を回す。
人の体温って温かいなぁ・・・涙腺が緩んでいくのがわかる。
でも泣くのを必死に抑える。人前では泣きたくないから・・

「お前、ちょっと無理してんじゃないか？俺のまえでは・・その//　甘えて良いから///」


「ありがと。渉は優しいね・・」

優しくしないで・・泣いてしまいそうだよ。１人で妖怪【スポク】と戦うのは正直心細いし、無理だと思った。
でも、大切な人。友達を守りたい、それだけでここまで頑張って来た。
１人で虚勢を張ってただけだったみたいだ。
アタシの周りには頼れる仲間が一杯いるんだから。

ガチャッ。ギギー。屋敷の大広間に渉は向かった。
そして、椅子に座らせてくれた。なんかお姫様みたいだ・・
格好が格好なのだが・・渉もアタシの隣に座る。
渉はアタシに優しく微笑んでくれる。凄くドキドキしてしまう。


「２人はラブラブなのです。」

有李栖の声。アタシは顔が耳まで真っ赤になる。

「ち、違う！渉のこと・・アタシ///」


ふと渉の顔を見る。少し悲しそうな表情。そんな顔しないで・・
アタシは言いたかったことを止める。
キイムが話し始める。凄く怒っているような悲しそうな・・


「杏南様、お風呂入れますよ。行きましょう、」

ぐいっとアタシの腕を掴む、アタシは無意識に立ち上がる。
あれ？　立てるし・・・アタシはキイムに引っ張られる。
そして、大広間を後にし、お風呂場に向かう。
腕が痛いよ・・・そんなに強く引っ張らないで。
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