ディア フレンド
「あたしたち、精霊は使役として使われるのが何よりの幸福です。あたしたち5姉妹も封鬼師様に必ず使われる訳ではありません。
去年の封鬼師、波留華様もあたしたちを使役として使ってくれました。そのときから、あたし主様を独り占めというか・・・自分だけを使って欲しいって思うようになって・・」
キイムの声が弱々しくなる。話を進めるごとに涙声になっていく。
キイムは自分の胸の中に秘めていた思いをアタシに話している。
声の様子からすると、多分誰にも言っていないのだろう。
「お姉さまに言ったら『弱いから無理でしょ?』って・・確かにあたしはジュシ姉よりオリーク姉より・・姉さんたちには敵わない・・・・
敵わないって分かってる。あたしだけ使ってくれるなんて有り得ないこと。
そうだって分かってるけど・・・1人にしないで・・欲しいよ・・」
キイムはとうとう泣き出す。後半涙声で聞き取れなかった。
でも、ようするに『甘えさせて欲しい。』という事なのだろう。
姉妹と言っても能力で上下があるのだろう。
だから、姉妹というよりライバル。ディフカと言ってることは違うが同じような理由。
「1人じゃないんじゃない? 」
「えっ?・・・」
「だってさ、アタシと5姉妹はそれぞれパートナーだもん。1人じゃなくてアタシが一緒に戦うよ。しかも、ライバルって言ってもお姉さんたちもいるじゃん。
見方を変えてさ、仲間だと思えば、家族と思えば、その上でライバルでいいんじゃない?」
「姉さんたちと仲間? 家族?」
「だって五行思想って五つ揃ってないと成り立たないでしょ?
水が欠けたら木は育たない、木が欠けたら火は起きない・・・だから1人じゃない。
お姉さんたちは互いに必要としてることに気付いていないだけ。
でも、いち早くそれにキイムは気付けた。良いことじゃない?」
アタシは自分でも何を言ってるかよく分かんなくなっていた。
でも、キイムに1人じゃないという事が伝わればいい。
それだけだ・・・キイムはしばらく黙る。
沈黙が流れる。チャプンという水音だけがお風呂場の静かな空間に響く。
去年の封鬼師、波留華様もあたしたちを使役として使ってくれました。そのときから、あたし主様を独り占めというか・・・自分だけを使って欲しいって思うようになって・・」
キイムの声が弱々しくなる。話を進めるごとに涙声になっていく。
キイムは自分の胸の中に秘めていた思いをアタシに話している。
声の様子からすると、多分誰にも言っていないのだろう。
「お姉さまに言ったら『弱いから無理でしょ?』って・・確かにあたしはジュシ姉よりオリーク姉より・・姉さんたちには敵わない・・・・
敵わないって分かってる。あたしだけ使ってくれるなんて有り得ないこと。
そうだって分かってるけど・・・1人にしないで・・欲しいよ・・」
キイムはとうとう泣き出す。後半涙声で聞き取れなかった。
でも、ようするに『甘えさせて欲しい。』という事なのだろう。
姉妹と言っても能力で上下があるのだろう。
だから、姉妹というよりライバル。ディフカと言ってることは違うが同じような理由。
「1人じゃないんじゃない? 」
「えっ?・・・」
「だってさ、アタシと5姉妹はそれぞれパートナーだもん。1人じゃなくてアタシが一緒に戦うよ。しかも、ライバルって言ってもお姉さんたちもいるじゃん。
見方を変えてさ、仲間だと思えば、家族と思えば、その上でライバルでいいんじゃない?」
「姉さんたちと仲間? 家族?」
「だって五行思想って五つ揃ってないと成り立たないでしょ?
水が欠けたら木は育たない、木が欠けたら火は起きない・・・だから1人じゃない。
お姉さんたちは互いに必要としてることに気付いていないだけ。
でも、いち早くそれにキイムは気付けた。良いことじゃない?」
アタシは自分でも何を言ってるかよく分かんなくなっていた。
でも、キイムに1人じゃないという事が伝わればいい。
それだけだ・・・キイムはしばらく黙る。
沈黙が流れる。チャプンという水音だけがお風呂場の静かな空間に響く。