お姫様の秘密
まさか…
まさかまさかの…?
「ゆ…悠…ちゃん?」
恐る恐る口に出す、私が呼んでいた彼の名前。
一瞬驚いた顔をしたけど、彼…悠ちゃんは、すぐ笑顔に戻った。
「俺のこと、覚えててくれたんだ?」
誕生日まで忘れてましたけど…
なんて、言えるはずがない!!
「ありがとう」
「あ、うん…っ」
逆にお礼を言わなきゃいけないのは、私の方なのに…
…ん?
悠ちゃんって、この学校にいた?
「悠ちゃんっ」
「ん?」
「悠ちゃんって…」
私の聞きたいことが分かったように、悠ちゃんは言った。
「今年から入ってきた転校生だよ。
同じクラスだから、前みたいによろしくね?」
なんじゃ、そりゃ…
聞いてなーーい!!
「…桜木ちゃん?」
隣で不安そうに聞く恭平君に返事ができないくらい…
私はパニックになっていた。
始業式早々…
こんなことってあり…?
レイちゃんが隣のクラス?
しかも、成弥の元カノで…
そしたら、私の目の前に悠ちゃんが来て…
ぐるぐるぐるぐる…
頭の中は混雑するばかりで…
私は耐えられなくなった…
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