お姫様の秘密



「迎えに来てやったんだよ。
帰るぞ」

「あ…りがと…」



私の鞄を持ち、私の寝ているベッドの隣から椅子を立ち上がる成弥。



違う…

いや、違くないけど…



「なんで…私…?」



保健室にいるんだっけ…?

なかなか記憶が思い出せない私…



「寝不足ね。
昨日はちゃんと寝れた?」



保健室の先生が、優しく聞いてきた。

私は、それに首を横に振った。



「…何してんだよ」



呆れた成弥の声。


そんなこと言ったって…



「…き、緊張して眠れなかったの!」



クラス替えのこととか不安で…



「お前は小学生か」

「ごめん、なさい…」



さっきより“呆れ”の意が含まれている気がする。



「まぁまぁ、二人とも早く帰りなさい」



保健室の先生の声で、私達は保健室を出た。



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