お姫様の秘密
「どうした」
「…へ?」
「陽菜」
「……………」
私を心配をしてくれる成弥。
私は成弥に、何を言うの……?
何を言えばいいの…?
「成弥は…」
「ん?」
「…新しいクラス、どう?」
言った後に、後悔した。
レイちゃんのことを知りたくないわけじゃない。
成弥を信じたい、いや、信じてる。
…でも、やっぱり不安。
「前と変わらねぇよ。
恭平がいないだけ静かなだけだ」
「……そっか」
“レイちゃんは?”
その質問を心の中に押し込む。
「陽菜は?
新しいクラス」
「え…?」
そして、忘れかけていた特大の“嵐”を思い出した。
もしかしたら…
成弥はもう知っているのかもしれない。
経由は分からないけど、私が倒れたことを知った成弥に、恭平君が話さないとは言い切れない。
それに…
「悠希か」
「……成弥、知ってたの?」
「さっき会った。
悠希がお前の鞄持って来た」
「そうなんだ…」
一番最悪なパターン…
悠ちゃんと成弥が会ったなんて…
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