お姫様の秘密



「成弥、おはよっ」



目の前でニコニコ微笑むのは、あのレイちゃん。

それに応えるのは、私の彼氏の成弥。



「…朝からうるせぇよ、玲奈」



まさに美男美女。

成弥がレイちゃんを呼び捨てで呼ぶのも、胸を締め付ける感じがして止まない。


そして、まさに絵になる二人の間に挟まれること、私は…

一人だけ疎外感を感じる。



「あ、成弥の彼女さんもおはよう」

「お…おはようございます」



私に微笑みかけるのは一瞬。

すぐに成弥に視線を戻すレイちゃんは…

成弥に対して何かある、そんな気がしてしまう。


…ううん、そんなことない。

レイちゃんは元カノなだけだもん。

別れても“友達”の関係が続いてるだけだよ…



「成弥もこんなかわいい彼女できちゃって~」

「玲奈に関係ないだろ」



“玲奈”じゃなくて、私の名前を呼んで欲しい…

これって、わがままなのかな…?


成弥がレイちゃんの名前を呼ぶ度、不安で仕方なくなる…



「失礼なっ
私は成弥の元カノとして、関係なくないよ!」

「おい、玲奈!」



“元カノ”の発言に、慌てる成弥。


…何で、慌てるの?

何で、私に隠すの…?


私…

成弥の彼女なんだよね?



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