君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
第五章 園田隆志

品格

俺は園田隆志。

ひょんなことから念願かない、
ひと里離れたホテルで、
“恩田未知子”と二人きりになることができたのだ。

そして…


みっこがシャワーを浴びている最中に、
俺は、カバンから、こっそりケータイを取り出すと、

“寺岡慶太”の番号を引き出すことに成功。


翌々日、

俺は寺岡のことを、海岸で待っていた。

俺が連絡をつけ、
寺岡が場所を指定した。


予定より、10分遅れておきながら、
奴はノソノソと姿を現した。


(余裕かましやがって!でも、それも今のうちだ!)

そう、心でつぶやきながら、強気で奴を睨みつけた。


「話って?」

奴も随分と強気だ。
でも、俺は負けない。


「わかってるんじゃないんですか?」

「俺が話したいのは、お前じゃねーし!」

「着信拒否ですか?だってあんた、会わす顔、無いんじゃないんすか?」

「てめーにはカンケーねーんだよ!」

「…そうですね。もう、みっことも俺とも、関係ないかぁ。」


寺岡は、急に背筋を伸ばすと、
眉間にシワを寄せたのがわかった。

「もう、あんたは必要無くなりましたから。」

「なんだあ?」

「あいつはやっぱ、俺じゃなきゃダメなんだ。」
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