君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
そんな調子で

卒業遠足という日がやってきた。


遊園地での卒業遠足は、
二人以上のグループによる、自由行動だった。


恭一が、あっちこっちに仲間を引き連れ、
楽しそうにはしゃいでいるのを、時折見かけた。


その、恭一と隆志のグループが、最後尾に並ぶアトラクションを狙って
そのすぐ後ろに並ぶ鈴ちゃん。


そんな鈴ちゃんの気持ちが、皆にバレないか、ハラハラしながら従っている私は、

気付けば、おばけ屋敷にまで並んでしまっていた。


こう見えて私は、夜道とお化けが苦手なのだ。


(必死な鈴ちゃんは知らなかったことだし、
ここで、あたしが拒否して、気まずくなるのも嫌だし…
独りで待つのは、単独行動扱いになっちゃうんだろうなぁ?)

そんなことを考えながら、並んでいると、

「みっこは入れんの?」

隆志に気付かれてしまった。


「う〜ん…」

「大丈夫だよ!ここの、あんまり恐くないって聞くし。ね、みっちゃん!」

ウィンクをしてみせる鈴ちゃんは、ひとごとだと思って、気軽なものだ。


するとそこに、

「間に入れてやんよ。」

恭一の声に、耳を疑った私は、

「う、うん。頑張ってみるよ」と

驚きついでに、返事をしていた。


そして遂に案内されて、
前の扉が開いた。


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