君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
私は恭一に憧れていた。


とは言っても、それは、尊敬に近いもので、

自分に出来そうもないことを、こなしてしまう恭一の姿をみると、胸がワクワクするのだった。


体育の時間はもちろん、

階段を、できるだけ上から飛び降りてみたり、

ブレーキを使わずに、自転車で坂道を、猛スピードで下って、転んで怪我して…

何に挑戦してるのか、
何になりたいのか、

まだ、この頃、心配すると言うよりも、期待に胸を弾ませていた私は、

理解不能な恭一の行動に、釘づけになっていたのだ。


こんな日々が、いつまでも続くと思っていた。

が、

五年生のクラス替えで、私は二人と離れてしまった。


すぐに新しいクラスに馴染んだ、恭一と隆志に比べ、

私は、体半分がモギ取られた様な気分だった。


100%の自分を出せずにいる、そんな私を見て、クラスの女子は
「ざまあみろ」と思っていたのだろう。


「男好きだから、いつも男の後ついて歩いてる。」

自分が、そう言われていることくらい、私だって知っていた。


でも、
“○○君のことが好き!”
“すごくカッコイイ!” とか、

女の子同士では言い合っているくせに、
その、当の本人とは、まともに話しすらしないだなんて…

私には、まだ、意味が分からなかった。
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