君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
テストも終わり、放課後の活気が戻ってきた。


恭一の結果も、無事にクリアーしたらしく、
久しぶりに走る姿を見た私は、自分をも奮い立たせた。


そして、夏の大会(3年生の引退試合)をかわきりに、

私達は、暑い熱い夏を迎えるのだった。


男子バスケの試合には、なぜか、本多先生も引率したらしい。

体育教師だから仕方がないが、
顧問の先生よりも熱くなっていたとか…。

そのおかげか、男子は8位と、大健闘の成績を納めることができたのだが、

女子は、2回戦目のチームの、ディフェンスの強さに太刀打ちできず…

試合終了の笛の音は、
世代交代の合図となった。

悔しがる3年に対し、
私たち後輩は、
罪悪勘すら感じていた。


そんな試合の後すぐに、
新体制での練習は、容赦なく始まるのだ。


早くに結果が出たバスケ部は、
屈辱にも、これからまだ試合が残る、
バレーボールやバトミントンなどに体育館を譲り、
屋外での体力作りが主だった。


「本多は、どうして男子にだけ引率したのかな?女子も応援してくれれば違ったかもしれないのに!」

「男子が、トラブルに巻き込まれないように付き添ったんだろ」

休憩中、水飲み場に姿を現した恭一にグチっても、どうにもならないが…

「あー、前みたく喧嘩になったら大変だしねぇ…」

「へー、なんの事?」

「今、誰かさんの担任で顧問だから、責任感じちゃってー…先生も大変だ!」

「るせっ!」
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