君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
「あたし」

「え!未知?」

「うん。」

「どうした?ああ、あがって来いよ!」

自動扉が開いた。

この扉をくぐるのは久しぶりだし、
考えてみれば、
一人で恭一の家に来るのは初めてのことで、
なんだか、緊張していた。


恭一の両親は共働きで、
小学校の頃は、6歳離れたお兄さんが、家の事をシキっていた。


普段は外で遊んでいたが、
雨の日、恭一の家で遊べることが、楽しみだったことを思い出す。

恭一は兄と一緒の部屋で、
そこには、男子高校生の扱うものが、無造作に置いてあり、それらに興味心をくすぐられると、

「君たちには、まだ早いのよん」と、
取り上げられたものだった。


エレベーターを降りると、
自然に足が、廊下を右に踏み出していた。

少し進んだ時、
ドアからひょっこり顔を出し、
恭一が迎えてくれた。

私は、だいぶ照れながら、
恭一の前に立ち、
「お邪魔します」と、中へと入った。


「今日、親が実家でさぁ。兄貴は、今、寮だから。」

「じゃあ、部屋独占?」

「まだ、余計なものはあるけどな…ジャジャーン!」

恭一は部屋のドアを開け、見せてくれた。

「あ〜懐かし〜。」

「あんま変わってねーだろ?」

「ベッドが一段になってる。」
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