君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
「…そこかよ…やらしーな。」

自分の顔が、赤くなっていくのが分かった。

そして今、二人きりだということに気が付き、

「ああ、これ、買ってきたけど、食べない?」と、

リビングの方へ、勝手にドカドカと歩き出した。


ソファーに座っても、なんだか落ち着かない。

「家で独りで何してんの?」

「最近は帰ると、かーちゃんが居るからなー。」

「そっか。練習、いつも遅いもんね。」

「前だって、そんな早く帰らなかったけどな。
かーちゃが嫌がるから、友達とか、あんま連れて来れなかったし。
隆志くらいかな…アイツ、たまに泊まってくんだぜ!近いんだから帰れよって感じだよな。」

「仲が良いね〜、相変わらず。」

「なにそれ、妬いてんの?」

恭一のひと言で、急に昨日のことを思い出した。

「昨日、ちょっとだけ、海に行ったんだけどさぁ」

突然、切り出す私だが、

「へー、入ったの?」

「(そうキタか)通っただけ。」

「結構、来てたぞ、見たことある顔。」

「…知ってるよ。見てたから私。」

「あそっ。」

「クラスの娘と一緒だったのも知ってるよ。」

「一緒じゃねーよ。」

「嘘だね、見たもん!」

「近くに居ただけだよ。」

「同じことでしょ。」

「違うよ!あっちは後から来たんだし。」

「…」

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