君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
「それなら、おまえだって祭りに行ったじゃんか。同じだろ?」

「違うよ!あたし別行動してたもん!」

「…そんな怒んなよ。」

「怒ってないよ。」

「…」

「…」

「ごめんな。」

「…謝ってほしかったわけじゃない…」

「じゃあ、どーすれば良いんだよ…」

「…」

「近くに居れば話ぐらいするけど、一緒に遊んでたワケじゃないし。どっか行けって言うのも…」

「もういいよ。」

「……チッ」

「チッとかって言わないでよ…」

「…」

「私、やっぱり帰る!」

立ち上がり、リビングを出て行こうとする私の腕を、
素早く掴んだ恭一は、
強引に私を振り向かせると、
両腕を掴んで壁に押しつけた。

「きゃっ!」

驚いて顔を見上げると、
呆れ半分、怒り半分といった感じの顔の恭一は、

「どうしたらいいんだよ?」と、
聞いてきた。

「わかんないよ!」

「…マジめんどくせっ」

(んんっ)

瞬きよりも速く、目を閉じる間もなく、
恭一の唇が、私の唇を覆った。

ずいぶんと長い間、唇は重なっていた気がする。


二人の唇が離れていくと、
私は顔をうつむかせ、恭一の胸に額を押しつけた。

「ヤキモチだよ…久しぶりに部活が無いのに…きょーちゃんは…」
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