切恋‐セツコイ‐
シーーーン
……沈黙が続く。
やだ…
何か言って。
じゃないと…
どうしたらいいか…わかんないよ……。
掴まれた腕を通じてあたしの心臓の音が届きそうで…
あたしはただ、掴まれた腕をずっと見てた。
翔「…名前」
沙「…え?」
やっと口を開いた清原くん。
翔「名前…聞いてもい?」
ドキッ…
え?
え?
な、なんで?
あたしはただ落とし物を届に来ただけ
なんでこんな展開に!?
どこでどうこうなった!?
あたしは完全にパニクって自分の世界にトリップしてたらしく…
翔「…聞いちゃダメだった?」
そう言って、心配そうにあたしの顔を除きこんで来た。
沙「あっ、えっと……
沙智……。南沢…沙智。」