切恋‐セツコイ‐
「海っ!今日も練習サボる気かよ!」
思わず振り向くと、短髪で顔に絆創膏を貼った男の子がそう怒鳴っていた。
「あ、またやってる」
「また…?」
有佐の呟いた言葉に不思議に思い、首をかしげた。
「あの短髪の男子いるでしょ?彼の名前は清水 武彦。サッカー部の部長だよ」
そう有佐が教えてくれた。
「おいっ!海!」武彦は前を早足出歩く背の高い男の子を追っていた。
「…るせいな。俺は忙しいんだよ」
きだるそうに答える彼。