切恋‐セツコイ‐



「海っ!今日も練習サボる気かよ!」


思わず振り向くと、短髪で顔に絆創膏を貼った男の子がそう怒鳴っていた。



「あ、またやってる」


「また…?」



有佐の呟いた言葉に不思議に思い、首をかしげた。


「あの短髪の男子いるでしょ?彼の名前は清水 武彦。サッカー部の部長だよ」


そう有佐が教えてくれた。
「おいっ!海!」武彦は前を早足出歩く背の高い男の子を追っていた。

「…るせいな。俺は忙しいんだよ」




きだるそうに答える彼。


< 78 / 83 >

この作品をシェア

pagetop