アイー心の花ー
そこにいたのはキレイな女の人だった。

「この人が……!?」

「ーーうん。」

「はじめまして、相馬 千鶴といいます。」

彼女は、礼儀正しく、オレに頭を下げた。


「あ・・真城 春樹です。」

「なぁ、ルカ。相馬って・・?」

「アイの今の名前。ここの院長先生に育てられているらしいの。」

そっか。ルカが電話で言ってたのは、こういうことだったのか。

<アイはいるけど、あたしたちの知ってるアイじゃない。>って。

もう・・・真宮 愛乃じゃないから。

「ねぇ、流歌さん、聞いてきいて!!
私ね、月曜日から、流歌さんと一緒の学校に通えるようになったの!!
お父さんが、流歌さんがいれば、安心だからって。」

彼女は、楽しそうにしゃべった。

その顔は、今まで見たことも無いような、純粋な笑顔だった。
< 49 / 121 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop