片恋の蒼
キッパリと告げたその声は内宮君のものだった。
この空気はまさかの告白現場。
「だれ?……教えて欲しいの、ちゃんと諦めたいから」
なかなか粘る女の先輩。
内宮君は顔色一つ変えずに先輩を見下ろしている。
……ショック、だった。
内宮君に大切な人がいる事が。
誰だろう。
いけないとわかりながら聞き耳を立てずにはいられない。
息をのんだ時。
「まーたやってる」
誰かの声が頭上から降ってきた。
「ふぇ?!」
「しーーっ」