片恋の蒼


キッパリと告げたその声は内宮君のものだった。

この空気はまさかの告白現場。

「だれ?……教えて欲しいの、ちゃんと諦めたいから」


なかなか粘る女の先輩。
内宮君は顔色一つ変えずに先輩を見下ろしている。

……ショック、だった。

内宮君に大切な人がいる事が。
誰だろう。

いけないとわかりながら聞き耳を立てずにはいられない。

息をのんだ時。



「まーたやってる」

誰かの声が頭上から降ってきた。

「ふぇ?!」

「しーーっ」



< 18 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop