片恋の蒼
気持ち
「おはよう内宮君っ!」
朝の下駄箱は人が多い。
なのに私は内宮君しか視界に入れていなかった。
私と並んでいた愛ちゃんが驚いたのが解った。
「おはよう」
内宮君はふんわりとまさしく王子様、の笑顔を私に向けた。
笑顔一つなのに私はすごい嬉しくなってだらしなく笑った。
「宿題やってきた?」
「もちろん。
長田さんは?忘れたの?」
茶化すように内宮君は笑って私を見下ろした。
身長、高いなぁ。
「わ、忘れてない!!」
「ウソだよ」
内宮君は、また笑った。