片恋の蒼


「え…ぇ、え?」

混乱する頭の中。
王子様である内宮君と話した。


や、それだけじゃなくて。


なんだか不思議な感情が溢れて来て心臓が暴れる。


「なに、これ」



多分、私はもう堕ちていたんだと思う。



君に。




***


「で?なに、」

「え?なにが?」


親友の愛ちゃんに昨日の話をすると不機嫌そうな声。


「なにが?じゃなくて!ただのノロケに聞こえるんだけどっ」

何かが弾けたみたいに喚く愛ちゃん。

「の、ノロケっ?」

裏返って変になる声。
愛ちゃんは私の目の前まで顔を近付けた。


「一目惚れなのっ、って聞こえるよ」


愛ちゃんが呆れた様に肩をすくめた。


「違うってば!…ただ」

「ただ?」

「なんか、予想と違うなって」

「予想?」

怪訝そうに聞き返す愛ちゃん。


「捻れてて、掴めない、不思議な人だなぁって」

「ふーん…」


愛ちゃんは納得いかないように首を捻った。



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