甘い時間
こいつ…
軽くショックを受けながらも二週間くらい会ってなかったんだから仕方ないと考えて自分を落ち着かせる。
「あはは、ごめん本気で間違えた」
そんな顔で笑われるとさっきの事もまあいいかで終わってしまう。
いつものことだ。
17年間の片想い。
こいつは俺のことを只の幼なじみとしか思っていない。
稚結が行くからというどうしようもない理由だけで入った高校も今では少し後悔している。
本当に自分のことはなんとも思ってないって実感するたびに悲しくなる。
それでも少し期待してしまう自分がいて…
「ちょっと!葵歩くの遅いっ」
「すいません」
今日も振り回されっぱなし、でも好きな人といれるからそれでもいいかなとは思ったりもする。