愛よれよれ君

「はぁっはぁっ」

彼は相当疲れていて、
よろよろと今にも
倒れそうに走っている。


周りの注目を集めているのは、
それだけじゃない。

金のような茶髪に、
よれっとしただらしない服装。

走る度にジャランジャラン
うるさくてたまらない、
ズボンに繋がれたチェーンの財布。

顔は、・・・揺れすぎてよく見えない。


今までこんな男
見たことない。
・・・といっても、高校入ってから
まだ三ヶ月だが。

でも同じ制服を着てるので
おそらく同じ高校だろう。


< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop