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 おじいさんはいつものようにお茶をいれてくれた。

「若いことは良いことですね」

おじいさんは静かに口を開いた。

「ええ、本当に若いことはそれだけで良いことですよ。若い人達が何かに向かって頑張ろうとするエネルギーは、何よりも素晴らしい」

おじいさんはいつも静かにわたしの話に耳を傾けてくれる。

時々、頷きながら、微笑みながら。

絵美ちゃんとはじめて話したこと、佳奈と仲良くなったこと、栗本くんに話しかけられたこと。

今まで当たり前だったことがこんなにも幸せなことだった。

広瀬くんに好きって言ってもらえて驚いたこと。

でも、誰かに好意を伝えられたのははじめてで、すごく嬉しかった。

おじいさんはわたしの話を聞くのが楽しいようだった。

「お嬢さんのお話はこっちもうれしくなるね。今の若い人達はわたしのころとまったく違う生活をしているけれど、若い頃の経験は時代がかわっても大切なことだというのは変わらない」

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