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「間宮、ごめん」
胸にチクリと刺さる。
「俺、ぜんぜん間宮の気持ちとか考えてなくて、変なこと言って、ごめんな」
変なこと…?
わたしに告白することは変なことだったの?
「本当にごめん」
やめて。
もういい。
もういいから、やめて。
それ以上言わないで…!
「ごめっ―…」
パシンッと威勢のいい音が聞こえた。
わたしは振り返った。
絵美ちゃん―…
「あんた、ぜんぜんわかってない」
絵美ちゃんの声はびっくりするほど低くて、広瀬くんは呆然としている。
「俺…本当に間宮に悪いことしたと思って……」
「そういうとこ、そういうとこがわかってない」
絵美ちゃんは声のトーンをもとに戻して、それからわたしに向かって言った。
「間宮さんも、言いたいことあるなら言えば?なんで黙ってんの」
違う、絵美ちゃん違う。
言いたいこと、ある、けど、わからない。
自分が何て言いたいのかわからないんだよ。
言わないんじゃない。
言えないの。
わたしの周りにわからないが漂ってる。
嫌だ。
全部、嫌だ。
きっとわたし、また泣きそうな顔をしている。
絵美ちゃんが困った顔でこっちを見てるから―…
「気持ちがごちゃごちゃしてんだろ?そういうときは、気持ちの整理がつくまでちょっと待ってくれって言っていいんだぜ?」