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炎の最終楽章
狂ったメトロノーム
その日は始まりと一緒で、いきなりやって来た。
絵美ちゃんはあの日から公園に来なくなった。
学校でも一緒にいるのは佳奈と三人でお弁当を食べる時だけ。
その時だって、会話をしなくなった。
その日の朝、教室に入ると、いじめは終わっていた。
「おはよう」と言いながら深秋と千英はわたしのところに駆け寄ってきた。
いつものお喋りが始まる。
そのうちにハナと由利と紺野ちゃんも加わって。
昨日まで何にもなかったみたいに。
でも、知ってる。
深秋も千英も他の三人もわたしに謝ってないこと。
はじめからそんなつもりないことも。
遊びだから。
この人達にとって、わたしをいじめていたことは遊びだったから。
絵美ちゃんが教室に入ってきたのはちょうどその時だった。
絵美ちゃんの体か大きく揺れる。
クラス全体が絵美ちゃんを見つめていた。
ひょこっひょこっと体を揺らしながら、両腕で松葉杖をつきながら、絵美ちゃんは教室に入ってきた。
誰かが笑っている。
振り向くと深秋達は絵美ちゃんを見てニヤニヤ笑っていた。
一瞬で悟った。
絵美ちゃんは
深秋達に待ち伏せされたんだ。