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わたしは今日までのことを全部話した。
いつものようにおじいさんは黙ってわたしの話を聞いていた。
「わたし、絵美ちゃん裏切った」
だんだん顔を上げているのが辛くなって、最後には下を向いたままになってしまった。
一度も手をつけないままのココアは、冷めてしまっただろう。
「あなたは、どうしたいの?」
おじいさんはわたしを咎めることなくたずねた。
「絵美ちゃんと仲直りしたい。けど、深秋達とも仲良くしたていたい」
正直な気持ちだった。
言葉にするととても我が儘な望みに聞こえた。
「難しいね。ただ、わたしには深秋さん達は絵美さんに嫉妬しているように感じるよ」
嫉妬?
なんで?
「お嬢さんはどうして絵美さんがケガをさせられたと思いますか?」
―…それは、
わたしと一緒にいたから。
「多分、絵美ちゃんがわたしと一緒にいて、思ったようにわたしのこといじめられなかったから……」
すると、おじいさんはわたしの目をじっと見つめて言った。
「あなたは、深秋さん達をそういう子だと思っているのかな?」