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葬祭場に戻ると、奈都くんがいた。
「間宮、来てくれてたんだ」
わたしはそれには答えない。
奈都くんの前まで、早歩きで進んだ。
「奈都くんが好き」
すんなり言えた。
むしろ奈都くんの方が泡を食って、そのまま固まってしまった。
「好きだから」
「マジ?」
「本気だよ」
奈都くんはしゃがみこんで顔をおおってしまった。
「あーもう、なんだそれ。俺、スゲー悪いやつじゃん」
チラリとわたしの方を見上げて、続けた。
「いつから好きだったの?」
「ゲームで告白されてから」
わたしの小さな仕返し。
奈都くんはバッと立ち上がった。
「スゲー嬉しいよ。けど、俺は松藤が好きだから」
これでいいんだと思った。
なんか、すっかりした。
これからどんなふうにこの気持ちが変わっていくのかはわからないけど。
今は、これで。
「つーか、何でいきなりそんなこと言うんだよ、何でわざわざこんなときに…?」
「こんなときだから言うんだよ。この先、何があるかなんてわからないじゃん」
今になって涙が溢れそうになった。
上を向いてぐっと目をつぶる。
奈都くんがそうだなと呟いたのが聞こえた。
おじいさん、わたしは大丈夫みたいです。