ヒロシマ1945 綾美とまな美
この無益な戦争を引き伸ばしている軍隊の全ての資源を破壊するためにこの爆弾を使用する前に、天皇に今すぐ戦争を終えることを嘆願するように我々はあなた方に申し上げる。
我々の大統領はあなた方のために名誉ある降伏の13の結果の概略を述べた。
あなた方がこれらの結果を受入れ、新しく、より良いそして平和を愛する日本を築き始めることを我々は強く勧める。
軍隊の抵抗を終わらせるための行動を今起こすべきである。さもなければ、我々はこの戦争をすみやかに、武力によって終わらせるため、固い決意の下、この爆弾そして更に優れた兵器全てを行使するものである。
その翌日に長崎にも原爆を投下され、当時の長崎市の人口24万人(推定)のうち約7万4千人が死亡、建物の約36%が全焼または全半壊した。
8月15日
「まな美さん、足の怪我は大丈夫?包帯を巻き直してあげるね」
綾美はまな美の足の包帯を巻き直しながら、まな美に話しかけた。
「私達の命が助かったのも、まな美さんのおかげだよ。ありがとう」
「綾美さん、いやお婆さん!私は。・・・・・いや何でもないわ、足の包帯ありがとう」
まな美は何を言いたかったのだろう。
自分がこの時代に来たのは、きっと三人を救うために来たのかも知れないとでも言いたかったのだろうか。
「綾美さんに、いいものをあげるね」
まな美はカバンのからシュシュを出し、綾美の髪を結んであげた。
◎シュシュは、装身具の一種。ドーナツ状にした薄手の布にゴムを通して縮ませたものである。髪留めにするほかにブレスレットとしても用いられる。
「綺麗な髪留めね、ありがとう、大事にするね。」
健治は疲れて、赤ちゃんと一緒に眠っていたが、正午に女医がつけたラジオの音に反応して目を覚ました。
ラジオからは天皇の声が流れた。玉音放送(ぎょくおんほうそう)であった。
玉音放送とは天皇の肉声(玉音)を放送することをいう。
1945年(昭和20年)8月15日正午!昭和天皇による終戦の詔書(大東亜戦争終結ノ詔書、戦争終結ニ関スル詔書)が読みあげられた。
この放送は、太平洋戦争における日本の降伏を国民に伝えるものであった。
「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ・・・・・・・・・」