ヒロシマ1945 綾美とまな美
まな美は綾美のその後を知りたくて。新幹線の中から母親に電話をしてみた。
「あっ、お母さん」
《まな美かい、広島の仕事は終わったの》
「うん、まあ!それより、お婆ちゃんは?」
《お婆ちゃん?お婆ちゃんなら私が6歳の時に病気で死んだよ!
たしかまな美にも教えたよね、それがどうしたの》
「ううん、何でもないの」
綾美はまな美の母親の愛が6歳の時に、病気で亡くなったらしい。
前の歴史では母親を産んですぐに亡なっていたが、まな美が1945年に行った事により、6年長く生きる事ができた。
「歴史は確かに変わったわ。だけど大きく変わる事は許されなかったんだ・・・」
まな美は自宅に戻り、仏壇に手をあわせた。
飾ってある綾美の遺影に目をやる。
「あっ、綾美さん・・・」
まな美は遺影の中の綾美が付けていたシュシュを見て泣きくずれた。
− 完 −