アンダンティーノ ―恋する旋律 (短編)
かろやかな、幸福を予感させる
メロディー。
そう、『愛の挨拶』って、こんな曲
だったっけ。
(えっ?)
ユマは驚いて、自分の目をこすった。
テツロウは一生懸命弾き続けている。
その手元にはヴァイオリンも弓もない。
けれども確かにユマの耳には、美しい
音色が響いてくるのだった。
(ああ……)
大好きだった。
本当に大好きだった。
いつもあなたの幸福だけを願っていた。
これからもそれは変わらない。
ずっとあなたを見守っていく
――由真は気づいた。
流れてくるのは、テツロウのショウコに
対する一途な思いだ。
それが旋律になってユマに届いている。
メロディー。
そう、『愛の挨拶』って、こんな曲
だったっけ。
(えっ?)
ユマは驚いて、自分の目をこすった。
テツロウは一生懸命弾き続けている。
その手元にはヴァイオリンも弓もない。
けれども確かにユマの耳には、美しい
音色が響いてくるのだった。
(ああ……)
大好きだった。
本当に大好きだった。
いつもあなたの幸福だけを願っていた。
これからもそれは変わらない。
ずっとあなたを見守っていく
――由真は気づいた。
流れてくるのは、テツロウのショウコに
対する一途な思いだ。
それが旋律になってユマに届いている。