アンダンティーノ ―恋する旋律 (短編)
告白
待ち合わせ場所の公園にショウコが
現れた時は、もう十一時近かった。
「メールをくださったのは……あなた?」
噴水の側で待っていたユマを見つけ、
ショウコはひどく驚いたようだった。
無理もない。
彼女宛てに贈ったメールには、テツロウ
の名前で「もう一度『愛の挨拶』を聴いて
ください」と書いたのだから。
ユマみたいな女の子が待っているとは
思ってもいなかったはずだ。
ゆるくウェーブのかかった長い髪、
笑ったらどんなにきれいだろうと思う
ような優しい目鼻立ち。
テツロウが好きになっても全然
おかしくない。
現にテツロウは今、ユマの隣で息を
することさえ忘れて(死んでいるから
もともと呼吸はしないだろうけれど)
ショウコを見つめている。
「わ、私、石原由真といいます。
高校生です」
「石原さん?」
現れた時は、もう十一時近かった。
「メールをくださったのは……あなた?」
噴水の側で待っていたユマを見つけ、
ショウコはひどく驚いたようだった。
無理もない。
彼女宛てに贈ったメールには、テツロウ
の名前で「もう一度『愛の挨拶』を聴いて
ください」と書いたのだから。
ユマみたいな女の子が待っているとは
思ってもいなかったはずだ。
ゆるくウェーブのかかった長い髪、
笑ったらどんなにきれいだろうと思う
ような優しい目鼻立ち。
テツロウが好きになっても全然
おかしくない。
現にテツロウは今、ユマの隣で息を
することさえ忘れて(死んでいるから
もともと呼吸はしないだろうけれど)
ショウコを見つめている。
「わ、私、石原由真といいます。
高校生です」
「石原さん?」