満月の日
「仕方ないな…。あんな目に合ったからな…。」




「そうだ…!!思い出した!!旅人が僕の村にやってきて、それで…、僕の村が燃やされた…。」




「いや。燃やされたんではない。お主の村は消滅した。もう、この世にはない。」




「ウソだ!!」




ガンマは声を上げ、頭を抱えるように耳を塞いだ。




「ウソだウソだウソだ!!そんなの、絶対に信じるもんか!!誰一人、信じたくない!!」




ガンマの言葉と態度に、ゼロンはため息をついた。




「相当、心に傷を負ったみたいだな…。ゆっくりと、心を休めると良い。」




ゼロンはそう言った。
< 10 / 226 >

この作品をシェア

pagetop