満月の日
ザザーン…。




ザザーン…。




サワサワ…。




程よく聞こえる波の音…。




爽やかな風が優しく包み込む…。




「うーん…。良い天気…。」




ティラがググッと背伸びをする。




彼女の長い茶髪の髪が、風でなびいた。




「あぁ…。ジャンヌ以来の美の女神だ。」




「まったくだ…。ジャンヌはキレイだけど、ガッツしか見てないからなぁ…。」




「そこ、嘆くな。」




船員達はヒソヒソ話し合う。




それを聞いていたリンが一言。




「言っておくけど、ティラには好きな人いるかんな。」




彼女の痛い一言に、船員達は固まった。
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