満月の日
まず、先制したのは、水中モンスターだった。




ドン!!と船に体当たりをし、グラリと揺れる。




「踏ん張れ!!持ち直すぞ!!」




ガッツが必死に舵をきる。




「大将。ちょっくら行ってくるわ。」




「頼む。」




リンはそれだけを言うと、水の中に飛び込んだ。




「正気か…!?」




ガッツは驚いたように海を見る。




「リンなら大丈夫だ。」




ハードの言葉と同時に強風がビュウッ!!と吹き抜き、モンスターの数が一気に減る。




さらに、ザッパーン!!と水しぶきが上がり、リンはジャンプして一端顔を出すと、また潜っていった。




そしてまた、ザッパーン!!と先程より大きい水しぶきが上がった。




「まるで人魚だ…。」




リンの戦いぶりに、ガッツはポツンと呟く。




「半魚人の間違いじゃないのか?」




「おい!!」




ハードの一言に、リンは顔を出して突っ込みを入れた。
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