満月の日
ガンマは剣を振るい、勇敢に戦ったが、相手は上級モンスター。




いくら彼でも、何十匹も倒せなかった。




苦しそうに顔をしかめるガンマ。




そこに、強風が吹き抜けたかと思うと、トロールが一斉に倒れた。




あまにもの出来事に、ガンマは唖然となる。




そんな彼の前に誰かが立っていた。




しかし、影でよく分からない。




「…誰だ…?」




ガンマの問いに答えるかのように、一筋の光が影を照らす。




現れたのは、肌が焼けた、一人の男性だった。




彼の姿を見た途端、少女と青年は声を上げた。




「ハード!!」




「ハード!!」




ハードと呼ばれた人物は、少女と青年を見た。




「ティラ。ピード。駄目じゃないか。あれほど森の中に入ってはいけないと、言われただろ?」




「ごめんなさい、ハード…。」




「反省してます…。」




ハードの言葉に二人はシュン…と頭を下げる。




ハードは肩をすくめると、今度はガンマの方を見た。




鋭く光る漆黒の瞳に、ガンマは思わず息を飲む。




ハードはガンマに向かって軽く頭を下げた。
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