満月の日
「お前、武術にしたら、見間違えるほどに強くなったな。少し見直したぞ。」




「そ、そう?」




彼女の褒め言葉にピードは照れ笑いを浮かべる。




(たくっ。褒めたらすぐこれだ。けど、まっ、今回は大目に見てやろ。)




リンは呆れたように肩をすくめたが、その顔には笑みがあった。




「そうだ!!ティラの方は!?」




ピードは思い出したように聞く。




「安心しろ。大将とチビすけが向かった。」




「そっか。でも、やっぱり心配だから、早く行こう!!」




ピードはそう言うと、ダッシュで部屋から出た。




(随分と、たくましくなったんじゃねぇの?)




リンはニタリと笑うと、彼の後を追った。
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