満月の日
「どう思う?あの戦士のこと。」




長髪の少年がニタリと笑った。




「とても強いけど、僕達が本気を出せば大したことはないね。」




「あら?随分と余裕ね。未熟な戦士ほど強くなるものだと、いつもダーク・マター様が言っているじゃない。そんな風に甘く見ていると、痛い目に合うわよ。」




「アクアは心配性だな。僕が負けるとでも思っているの?」




「別に…。」




二人がそんな会話をしていると、東の空がうっすらと明るくなってきた。




「行くわよキン。夜が明ける。朝日を浴びたら私達は消滅しちゃう。」




「そうだね。また会おうね。おチビさん。」




そう言って、二人は音もなくその場から消え去った。
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