満月の日
「大変言いにくいことですが…、足の骨が折れています。しかもかなりひどい折り方です…。幸い、日常で過ごす分までには回復しますが、旅はもう、二度と出来ないでしょう…。」




「わりぃスティング…。あたしを、かばったばっかりに、こんな大ケガさせちまって…。」




医者の言葉に、リンはスティングに頭を下げる。




すると、スティングはリンの頭を撫でた。




「謝らないでほしい。これはオレがやったことだから。」




「スティング…。」




スティングの言葉に、リンは何も言えなくなる。




彼は小さく笑った。
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