満月の日
「だからそんな顔をするな。お前は笑顔の方が似合う。」




「…サンキュ…。」




スティングの慰めに、リンはようやく小さく笑った。




「それより、これからどうする?」




「うーん…。」




ウエントの問いにキララがうなっているとリンが口を開いた。




「あたしは旅に出るよ。」




「リン!!」




「リン!!」




リンの一言に二人は声を上げる。




彼女は続けた。




「あたしはハード…、いや、大将に借りがあるんだ。その借りを返す。」




「お前な…。スティングが今、どういう状態か、分かって言っているのか?」




ウエントがため息混じりに言う中、スティングは一言。
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