満月の日
「まったく。何を考えているのやら。」




アントスが消えた途端、キンはグチを溢した。




「そんなこと言わないの。きっと、ダーク・マター様にも何か考えがあるのよ。」




アクアはキンをなだめるように言った。




「ブライトは…、どうするの…?」




ミィルの問いにブライトは肩をすくめた。




「俺はそんな旅人には興味ない。俺はアイツを倒すだけしか眼中にない。」




ブライトの一言に、キンはワザと大きなため息をついた。




「はぁ…。これだよ。堅苦しいにもほどがあるよ。」




「フン。俺は俺のやり方でやるさ。」




ブライトはキンに背中を向けてそれだけを言うと、闇の中に消え去った。




「ちぇっ。相変わらず堅苦しいヤツ。たった一人の剣士と正々堂々の勝負をするなんて。バカじゃないの?勝負ってのは、いかに相手の弱点を攻めるかどうかなのに。アホらし。まぁ良いや。僕も、やりたいようにやるだけさ。」




キンはそう言うと背中の羽を広げた。
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