満月の日
「どうしたんだ?」




ハードの問いに町人は答えた。




「北外れの町が一晩で壊されたんだ。だからこの町も危ないんだ。」




それを聞いたハード達は、互いに頷き合った。




「今、この町を出るのは危ない。それよりも戦いの準備を始めた方が良い。」




そう言われて、町の長老が口を開いた。




「私達には戦う術がありません。このまま襲われるしかないのです。一人でも助かるためには町を捨てるしかありません。」




「戦う前から諦めてんじゃねぇ!!」




そう声を上げたのはリンだった。




町人達は目を丸くする。




ハードが静かに長老に話しかけた。




「オレ達が力を貸します。皆さんも一緒にモンスターを退治しましょう。」




「しかし、どうやって…?」




するとティラが口を開いた。
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